民主党がかかげてきた政策である「高速道路原則無料化」が実施される範囲はかなり限定的なものになりそうな雰囲気になってきました。
朝日新聞の報道によればフェリー業界への配慮、日本列島の大動脈の渋滞への配慮等から、本四連絡橋の4ルートや東名高速道路、名神高速道路は無料化の対象外になるようです。またそのほかの高速道路についても渋滞への影響を配慮しつつ予算とにらめっこをしながら範囲を決めるようで、従って2010年の実施範囲はかなり限定的なものになってしまいます。
国交省では2010年度予算で6000億円を要求
国交省では2010年度から社会実験という形で無料化を実現するために6000億円を要求していますが、この予算は削減される見通しです。いったい、どの程度が無料化されるのでしょうか。大都市近郊圏はもちろん難しいですし、また現在高速道路1000円を実施している地方高速道路についても、かなり絞らなくてはいけないのではないかと思います。
とすると、自民党政権下ではじめた休日1000円の政策の方が良かったのではないかとさえ思えてきます。この際、民主党は高速道路原則無料化のマニフェストは引っ込めて、現在実施している政策をそのまま延長した方が良いのではないでしょうか。
【2024年11月19日追記】
民主党の高速道路無料化は事実上の断念
休日(土日祝日)高速道路上限1000円は2009年3月に2年間の期限付きの政策としてスタートしました。その財源は日本高速道路保有・債務返済機構が抱えている約40兆円の借金のうち3兆円を国が肩代わりして様々な割引を実現する仕組みを作りました。
ところが民主党は2012年度までに高速道路原則無料化を公約に掲げて勝利、必要な予算は1兆3000億円としていました。鳩山政権で2010年度予算に東名・名神などを無料化にすることを念頭に6000億円を盛り込みましたが、予算編成で苦慮した結果、結局1000億円しか盛り込むことができませんでした。結果、全体の2割程度にあたる地方路線の50区間での実施に留まってしまいました。
2010年12月の政府と民主党の合意では、「普通車で休日上限1000円、平日上限2000円」とする制度でしたが、東日本大震災の被災地復旧・復興の財源が他に見つからず、導入されることはありませんでした。
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