三鷹市にある国立天文台の観望会で星空を鑑賞

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三鷹にある国立天文台の観望会

 三鷹市にある国立天文台の観望会にいって来ました。今回は子どもと一緒の参加になります。実は国立天文台における観望会は定例的に実施されています。

2024年12月追記

定例観望会は現地に行っても参加できるほか、オンライン開催も行われるようになりました。YouTubeの「YouTubeの「国立天文台三鷹 定例観望会チャンネル」で配信されています。

 三鷹の国立天文台は駅から遠いところにあるので、本当はクルマで行きたいところですが、天文台の構内にある駐車場は基本的に使うことが出来ません。体が不自由な方の場合は事前に問い合わせをすれば対応してもらえることがあるようです。バスを使う場合には、三鷹駅、武蔵境駅、武蔵小金井駅、調布駅からバスを使うことが出来ます。

 大セミナー室に集合でしたが、ほぼ会場にいっぱいという盛況ぶりです。人が多かったので、四つのグループに分かれて行動しました。私たちは第三グループに割り当てられました。

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第一赤道儀室

 太陽の黒点を観測できる望遠鏡が設置されている、この天文台の中でも最も古い施設の一つになります。1921年に建設されました。2002念には登録有形文化財に指定されています。

国立天文台三鷹キャンパス 第一赤道儀室

第一赤道儀室の案内板

 1階は倉庫、2階が口径20cmの屈折望遠鏡があります。すでに、観測施設としての使命は終えているのですが、そのまま、望遠鏡は使うことができる状態で保存されています。動態保存というそうです。

第一赤道儀室

 もともとは東京天文台は麻布にあったのですが、都心は徐々に明るくなってしまい、天体観測には向かなくなってしまったため、明治の終わり頃にこの三鷹に用地が取得されました。しかし、移転の予算や研究者の人が都心を離れなかったことで、なかなか移転は進まずに、結局は関東大震災で麻布の施設が使えなくなったことを機に三鷹への移転が行われました。この施設はその頃に出来たものだそうです。

 この日は天気も良かったので太陽がよく観察することが出来ました。板の部分に太陽が映るようになっているのですが、黒点が確かにありました。

観測中の太陽の像

古墳

 第一赤道儀室のすぐ横には古墳がありました。上円下方墳です。こちらの古墳は公開されていないので、遠くからしか見ることは出来ません。同じ緯度上にここから西へ府中の熊野神社、八王子と三種類の古墳があるそうです。

第一赤道儀室横の古墳

 こちらの天文台構内古墳は長い間古墳とは見なされていませんでしたが、1970年(昭和45年)に発掘が行われた際に横穴式の石室が見つかり古墳であることが判明しました。

太陽系ウオーキング

 第一赤道儀室の前から直線の道があります。そして、アインシュタイン塔側に太陽のパネルが置いてあり、その縮尺に沿って太陽系の惑星が設置されています。太陽系の距離は140億分の1、天体のサイズは14億分の1のサイズにしてあります。特に惑星間の距離は、思っていたよりも遠くて、なかなか教科書ではわからない面白さがありました。

太陽系ウオーキング

太陽の案内板

太陽系ウオーキング

4D2U

 4ディメンジョン、デジタル、ユニバースの略になっている施設です。通常の立体メガネをかけた3Dに追加して、時間軸までを自由に扱えることができるため、4Dと呼んでいるそうです。能力の高いコンピュータに接続されていて、任意の位置で周囲の星を描き出す能力をもっているようです。

天文台歴史館 大赤道儀室

 こちらは、構内で一番大きなドームになります。

天文台歴史館

 歴史は古く、1926年に建設されました。2002年には有形文化財に指定されています。そして、こちらには日本最大の屈折望遠鏡があります。口径は65cmです。

65センチ屈折望遠鏡の案内板

 こちらの施設も望遠鏡としての使命はすでに終えていて、望遠鏡自体も使うことは出来ません。静態保存と呼んでいるそうです。望遠鏡は二階に行くと見ることが出来ます。とても大きな望遠鏡です。

65センチ屈折望遠鏡

65センチ屈折望遠鏡

 望遠鏡の周りの床は円状に赤く塗られている部分があります。ここは、エレベーターになっていて、800Kgのものまでを上げ下げすることが出来たそうです。今はエレベーターとしての機能は止められていて、床の位置は固定されていました。

屈折望遠鏡の床の下

 望遠鏡の周りの壁面には、天体を観測したときの写真などが展示されていました。

展示室

 天文台で実施している各種の研究がパネル展示されています。また、野辺山やハワイに設置されている望遠鏡施設の模型が展示されていました。

TMT計画

TMT計画の案内板

金環日食の紹介

 平成24年5月21日に129年ぶりに金環日食を見ることが出来ます。この紹介を実施してくれました。

 太陽の明るさは満月の46万倍、太陽を肉眼で直視すると、目に大きなダメージがおきます。日食網膜症で視力を失ってしまう事故が多数発生するそうです。下敷きで眩しいように思わなくても、紫外線や赤外線で大きなダメージがある場合があります。双眼鏡や望遠鏡で太陽を見ることはもちろん絶対に避けなければいけません。

 日食観察専用の器具が必要です。このような器具は直前になると売り切れてしまう可能性がありますので、当日の天気がどうなるかわからないものの、事前に購入しておいた方が良いようです。また、専用観察機器にも過信は禁物で、長時間続けて観察することは避けた方が良いとのことでした。

金星の日面通過

 この金環日食から1ヶ月ほどののちに、金星の日面通過という大きなイベントがもう一つあるそうです。次回は2117年になるそうなので、今回を見逃すと、まず見ることは出来ません。現象そのものがなかなか発生しないので、とても貴重なチャンスです。太陽の黒点のようにして見えるそうです。ここても、日食を見るために準備した観察道具はまた使うことが出来ます。

50cm公開望遠鏡

 午後6時から50cm公開望遠鏡を使って観望会が実施されました。星のソムリエ、池上正夫さんによる解説です。金星、木星、シリウス、冬の大三角などが観察の対象です。

 50cm公開望遠鏡のほか、3台の望遠鏡による観察となりました。ただ、人数が多いので、各望遠鏡には行列が出来てしまいます。この日は寒かったので待つのが辛かったです。

 2006年に天文台を特別公開していた際のレポートはこちらで紹介しています。

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