先日、早川町の奈良田の里温泉に行ったあとの帰り道で、新倉断層(あらくらだんそう)というところを見学しました。場所は「早川町新倉字明川2913-1」、県道南アルプス公園線(県道37号)沿いに駐車スペースがあり、そこから奥の方に入っていく形になります。トンネルから出てすぐのところにこちらの駐車スペースがあるので、通り過ぎやすいです。カーナビでだいたいの場所をセットしておいた方が良いです。
こちらが来場者用の駐車スペースです。
こちらの場所、リニア新幹線工事のために頻繁に大型トラックが往復しています。トラックの邪魔にならないように、来客用と書かれた駐車スペースに横向きに車を停めるように工事の人から言われました。こんな大きな断層があるところにリニア新幹線を作っても大丈夫なのでしょうか。ちなみに日本地質学会のサイトによれば、早川流域を含む赤石山地(南アルプス)は,年間数mmの日本有数の隆起度をもつのだそうです。
この駐車スペースにはこちらの案内板があります。
少し歩いたところに露頭があるのですが、そこまで行くと、よく判らなくなります。こちらで案内板をじっくりと読んでおくことをお勧めします。
駐車スペースから約200メートル、徒歩4分程度で大きな露頭を見ることができます。
こちらは少し古くから設置されている案内板のようです。
ここから断層の見学地点に至る道自体がリニア新幹線工事のダンプカーがひっきりなしに通る道です。十分に注意して歩く必要があります。
少し歩いたところの右手側に新倉湧水があります。
さらに歩くと新倉断層の観察地点に到着します。
早川との合流地点に近い内河内川左岸にあり、糸魚川ー静岡地質構造線の露頭を見ることができます。
新第三紀御坂層群(約2500万年前)の上に古第三紀の四万十層群(約60000万年前)の黒色千枚岩質粘板岩等が乗り上げている逆断層です。
先日、NHKのブラタモリで糸魚川のフォッサマグナを観察する場面が搭乗していました。そのテレビで見た場面よりこちらの方がスケールがでかいと思います。こちらの早川町にもタモリさんが来る機会もあるかもしれません。
糸魚川―静岡構造線(いとしずせん)は、新潟県糸魚川市から長野県諏訪市、山梨県早川町を経て静岡に達します。この構造線の左右で東北日本と西南日本とを分けられます。ナウマンによりフォッサマグナと名付けられた地域の西側の境界となっています。
早川町役場の開設のよれば、近年、北アメリカプレートとユーラシアプレートを画するプレート境界であるとする学説もあるのだそうです。
ただ、素人が現物を見てもどこが断層で、どう逆になっているのか、正直よく判らないです。
日本地質学会のホームページによれば、2001年8月に国指定の天然記念物として保護されることになったあと、2011年9月の台風により大きな崩落があり、露頭が一変してしまったと報告されています。
見学する場所には、どちらの方向を見れば良いのか、赤い矢印の板が目印として設置されています。
新倉の糸魚川-静岡構造線
平成13年に設置された新倉の糸魚川-静岡構造線の案内用石板があります。
露頭のアップです。Wikipediaで糸魚川静岡構造線の解説を読むと、右上から下に斜めに走るラインが構造線の露頭であると書かれています。
こちらも露頭のアップになります。真ん中の木の下付近から崩落したのでしょうか。
リニア新幹線の工事が終わったころに、またゆっくりと見学したい場所です。
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