山梨県の身延町に向かって市川三郷町付近を車で走っていると「はなびかん」という花火専門店の前を通りました。2021年9月24日のNHKドキュメント72時間で紹介されたお店です。2023年8月15日のTBSテレビ「マツコの知らない世界」でも紹介されました。そんなことをなんとなく思い出して、道をUターンして花火屋さんに行ってみました。
はなびかんの駐車場
駐車場はお店の裏側にあります。(下の写真の地図にあるお隣のローソンは閉店していました)
営業時間は朝10時から午後6時までです。店内に入ってみると、本当にたくさんの花火が所狭しと並べられています。店内には他にお客さんがいなかったので、店員さんが日本の花火の良さを丁寧に教えてくれました。
コンビニやおもちゃ屋さんなどで販売されている花火のうち、ほとんどのものは今では中国産などの海外製になってしまっています。中国産の花火も家族で十分に楽しめる商品ではあるのですが、日本の花火はやはりクオリティが違います。
記念に線香花火を購入
実はこちらのお店に寄った記念に、三百円くらいの線香花火を買いました。この花火はとても珍しいもので、普通の線香花火は下にだらんと垂らすようにして持ちますが、今回購入したものは先っぽが斜め上を向くように持ちます。
そして、火を付けると、先っぽから持ちて側に火がジュワジュワ言いながら向かってきて、今度は火の玉がゆっくりと先っぽに向かって戻っていきます。
このとき、パチパチと小さな花火が舞い散ったあと、ジワっと火の塊が燃え続けて最後に火が消えるという一連のプロセスを本当に情緒的に演出してくれました。これは、コンビニ花火ではなかなか味わえないものです。
斜めに持つ線香花火のことを知らなかったのですが、関西で「スボ手牡丹」と呼ばれていて藁でできているのだそうです。江戸時代の頃、関西のほうが米作りが盛んで藁を使ったのが始まりです。一方で関東では藁が入手しにくかったため、代用品として紙で作り、今の縦にぶら下げるタイプの線香花火(長手牡丹)ができました。
実は現在では海外産は全て長手牡丹になってしまい、スボ手牡丹は筒井時正玩具花火製作所のみになってしまいました。非常に貴重な花火です。
ドキュメント72時間の映像
店内ではドキュメント72時間の映像が流れていました。
打ち上げ花火
こちらは、金昇曲錦冠変化菊と名前が付いている大きな花火です。この名前の付け方には法則があり、花火の内容(打ち上がってから消えるまでどのように変化するか)によって玉名と呼ばれるタイトルが付きます。
こちらは、イナズマのような光が夜空を四方八方に走るという打上花火「飛び魚」です。魚の目がなんだか嬉しそうです。
こちらの道は中央道の甲府南インターチェンジで降りて、南アルプス市や富士川町、身延町などに行くときには通る道なので、また立ち寄りたいと思っています。
【2024/08/04追記】
ドキュメンタリー番組で市川三郷町の花火師を特集
BS朝日の「自分流」というドキュメンタリー番組で、花火師の齊木啓介さんを特集していました。実は花火の町である市川三郷町にあるマルゴーという会社の花火師です。昨年の隅田川花火大会コンクールで優勝するなど数々の花火大会では優勝を重ねてきた、日本一ともいわれる花火メーカーとのことです。コロナ禍で各地の花火大会が中止されて花火業界は窮地に追い込まれましたが、「Cheer up!花火プロジェクト」のメンバーとして、全国で一斉に花火をあげるプロジェクトを開催しました。2021年の三陸花火競技大会や昨年の隅田川花火大会コンクールでは、齊木さんが演出を手掛けた花火で見事優勝しています。斎木さんは花火そのものを作るのは後輩など他の人に任せて、演出やプロデュースに専念されていると番組で紹介されていました。市川三郷町が花火の街だということがよく分かった番組でした。
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