富士山が世界遺産に登録へ

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富士山

4月30日に政府から、下記の発表がありました。

世界遺産への登録を目指す富士山について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関から登録を求める勧告が出た。

これで、富士山は6月にもカンボジアで開催されるユネスコの世界遺産委員会で正式に登録される見通しになりました。平成23年に「平泉-仏国土(浄土)を表する建築・庭園及び考古学的遺跡群」が登録されて以来、国内13件目の世界遺産登録になります。

今回は一つだけ条件があり、構成要素の一つである三保の松原の除外が条件となりました。各新聞社の報道をみると、三保の松原を除外しての正式登録が濃厚なようです。

富士山については、1990年代の前半から民間を中心として登録を目指す動きがありました。しかし、2003年の政府検討会で候補から外れて、今度は文化遺産での登録を目指し2012年に政府がユネスコに推薦をしていました。

最初は名称も富士山としていましたが、2013年3月には「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」という名前に変更しています。その後も三保の松原を構成資産から除外することが要請されていましたが、文化庁は三保の松原からの富士山の景観は重要だとして除外には応じてきませんでした。

三保の松原を除外を要請してきた理由は、富士山から三保の松原は45キロも離れていて富士山を構成する一部と見做せないことや富士山との間に防波堤が作られた地点があり景観の面で好ましくないということが挙げられています。

その他には、忍野八海、富士山本宮浅間大社など全部で25件が構成資産になっています。

一方で神奈川県の鎌倉についても、世界遺産への登録を目指していましたが、ユネスコの諮問機関からは登録に相応しく無いと勧告されたため、今期の登録は難しくなってしまいました。歴史的価値は認めて貰えたが物証が残っていない点の指摘が大きかったと毎日新聞では報道されています。

ユネスコの諮問機関「イコモス(国際記念物遺跡会議)」では、

普遍的な価値の証明が十分か
保全状況は十分か

といった視点で四段階(登録、情報照会、登録延期、不登録)で評価します。過去には、岩手県の平泉が記載延期の評価を受けたあとでコンセプトを見直して3年後に再審査を受けて登録されたことがありました。今後、このような前例や、今回見送られた理由などを分析して、鎌倉も次のアクションを決めるのではないかと思います。なお、鎌倉については、6月のユネスコ世界遺産委員会で不登録と決定されてしまうと再推薦ができなくなってしまうそうです。何とか再チャレンジできるような道を模索したいところです。

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