西武新宿線の玉川上水駅の近くに東大和南公園というところがあります。ここの公園の一角に、旧日立航空機立川工場変電所が残されているということを以前より聞いていたので、近くを通りかかった際に行ってきました。この施設は昭和13年から平成5年まで使用されていた変電所です。もともとは航空機のエンジンを生産する軍需工場への変電設備でした。
1945年に被弾
第二次世界大戦の際、1945年2月17日以降、何回かに分けて機銃掃射を受けて、隣接していた工場は大破しました。しかし、こちらの変電所については壁などに弾痕を残しつつ大きな被害は免れることが出来ました。戦後はそのまま中の変電施設を更新しながら平成5年まで使用され続けました。
都立東大和南公園へ
この東大和南公園をカーナビで指定すると駐車場があることが判りました。そこに向かいます。東大和市民体育館やプールがあるところの前に駐車場があります。
平成7年には東大和市の文化財として指定されてそのまま保存されることになりました。この変電所のまわりは公園として整備されています。
旧日立航空機変電所
そんな公園の一角に何故か、この変電所が異様な感じで建っているのは非常に目立ちます。
壁には無数の弾痕が残っています。一部は鉄筋までがむき出しになっています。よくこのままの状況で補修をせずに変電所として使い続けたことは凄いことだと思います。
銃弾や爆弾の破片で300ヶ所以上の傷が残っていますが、建物の致命的な損傷は免れました。戦後は編み物機などを製造するように立て直された工場に電気を送りました。
建物は入館不可
残念ながら建物の中には普段は入ることが出来ません。イベントがあるときには1階に入ることが出来る場合もあるようです。
こちらが変電所の正面の入口になります。
そして、入口の近くには案内板が立っています。
建物の左側には給水塔の一部がモニュメントとして展示されています。
戦争の怖さを現在に伝える貴重な施設だと思います。
館内の公開開始
2020年から補修工事が行われて、2021年10月から一般公開が再開されました。今までは立ち入ることができなかった配電盤などがある二階部分も見学ができるようになりました。
館内にも爆撃の傷が残っているほか、配電盤などの機材が残っています。
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