強羅の田むら銀かつ亭で夕食の予約を入れておいたのですが、それまで時間に余裕があったので、箱根関所を見学しました。今まで、箱根は何回も観光に来たことがあるのですが、箱根関所を見学するのは今回が初めてです。
箱根関所とは
江戸幕府によって元和5年から明治2年までの250年間にわたつて、芦ノ湖畔に設置された東海道の関所です。Wikipediaによれば、もともとは箱根神社の方に関所を整備したようですが、地元「元箱根」の住民と対立を引き起こして、箱根峠寄りに人工の箱根宿および箱根関所を設置したと紹介されています。
箱根関所以外に脇関所として箱根には五ヶ所が設置されていました。
- 根府川
- 矢倉沢
- 川村
- 仙石原
- 谷ヶ村
箱根関所を通る際には諸国御関所覚書に記された検問を受けました。営業時間?は明け6つから暮れ6つまでで、夜間通行は禁止です。
箱根関所の復元
明治2年に明治政府が諸国の関所を全廃した際に箱根関所も廃止されました。その後、昭和40年に箱根町立関所資料館が開設、平成16年に大番所、上番休息所などが復元、平成19年に石垣等の大規模な復元、平成25年には資料館がリニューアルされて現在に至っています。
箱根関所の見学
通り抜けるだけならば無料
とても分かりにくいのですが、単に箱根関所を通り抜けるだけならば無料です。今回は箱根関所の奥にある御番所茶屋に行って休むことが主目的だったので、通り抜けるだけならば無料ということが分かっていれば、入館券は購入しなかったところです。
京口御門
西側(京口御門)から行くと、関所の門の前に「検札所」という看板が大きく掲げられていて、入館券の販売所があるので、門を潜り抜けるためには入館券が必要だと誤解してしまいました。大人500円です。
高札
江戸口御門を入ってすぐ右側には高札があります。「笠や頭巾を外すこと、証文のない人は通れません」などの注意事項が書かれています。
厩(うまや)
京口御門から入るとすぐ左側に厩の建物があります。
5頭の馬をつなげるようになっていましたが、実際には2頭しかいなくて、空いた場所には掃除道具や火を消すための道具などが収められていて納屋と兼用になっていました。
大番所・上番休息所
大番所には面番所といわれる部屋があって、ここを通る旅人の関所改めをしていました。
役人の多くは小田原藩士がひと月交替でお役目にあたっていました。茶碗や米などを持ってきて関所で寝泊まりをしていたので、休息所には台所やお風呂があります。
女性を検査する専門官、人見女です。
なんとなく昔の箱根にタイムスリップした気分になれます。
建物や柵は黒々とした塗料が塗られていますが、これは渋墨塗りです。松を燃やしたススと渋柿の成分を混ぜたもので、木が腐ったり虫がつかないようにするほか、立派な建物に見せる効果もあります。
面番所です。
こちらは台所です。
こちらは休息所です。
建物の裏側には井戸がありました。
石段を登ると芦ノ湖を展望できる見晴台があります。雨模様だったので、今回は登りませんでした。
江戸口御門
こちらは江戸口御門です。
こちら側には小さく、無料で通り抜けはできることが掲示されていました。
御番所茶屋
箱根関所に隣接して御番所茶屋があります。道中だんご、関所だんご、甘酒、お茶屋セット、みたらしだんごアイス、お茶屋パフェなど、各種の甘味があります。
こちらはお茶屋セットです。
こちらはお茶屋パフェです。
箱根関所資料館
御番所茶屋からさらに先に進むと、箱根関所資料館があります。下記の13のテーマに分かれて展示されています。
- 箱根関所の移り変わり
- 全国の関所
- 箱根関所の役割
- 箱根関所の女改め
- 箱根関所の役人たち
- 関所破りと薮入り
- さまざまな通行手形
- 要害山と守り村
- 箱根関所の四季
- 箱根宿と箱根関所
- 蘇った箱根関所
- 大名行列と江戸の旅
- 箱根関所の武器、武具たち
こちらの資料館、お玉ちゃんというキャラクターが各展示の解説をしているのですが、関所破りをしたために獄門になった少女です。今から300年ほど前に江戸に奉公に出ていましたが、故郷が恋しくなり関所破りをしてしまいました。
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