京王井の頭線、井の頭公園駅の近くに三鷹市の吉村昭書斎が開館したことを知り、3月の日曜日に見学しました。吉村昭氏は最初の太宰治賞(昭和41年の「星への旅」)の受賞者であり、「戦艦武蔵」をはじめとする歴史小説や「関東大震災」などの記録文学で知られる作家です。
吉村昭氏は昭和44年に三鷹市井の頭に居を構えました。こちらの三鷹市吉村昭書斎がある場所とは違う井の頭公園に近い場所に自宅がありましたが、三鷹市が書斎の寄贈をうけたことで、井の頭公園駅近くに三鷹市吉村昭書斎を開設しました。
敷地内には交流棟と書斎棟があります。交流棟の入口から中に入ると受付の窓口がありました。交流棟を見るだけであれば無料ですが、書斎棟を見学するためには大人100円が必要です。(年間パスポートは300円です)
「東京・ミュージアムぐるっとパス2024」を使っている方は無料で入場できると案内がありました。
こちらが吉村昭書斎棟です。こちらの建物はこの表側の入口からは入ることはできません。
書斎棟の入口は建物の裏側にあり、交流棟の奥から回り込む形になります。
こちらが書斎です。
書斎の本棚にある書籍は当時と同じものが並べられています。
横幅が2.6メートルある長机は長編歴史小説の天狗争乱を執筆中の机上を再現しています。
書斎棟には和室もあります。
吉村昭氏は三鷹市井の頭4丁目26-7にあった富寿司をよく利用されていたようです。
開館時間は午前10時から午後5時半までです。
住所 三鷹市井の頭3-3-17
三鷹吉村昭書斎は井の頭線の井の頭公園駅で降り改札口を出たあと、線路沿いの道を三鷹台方面に5分ほど歩いた右手側にあります。
少し心配なのは、三鷹市の観光スポットが点在してしまっていて、見学する人から見ると回りにくい点です。太宰治のスポットは三鷹駅周辺に多いですし、三鷹の森ジブリ美術館は吉祥寺通り沿い、吉村昭書斎は三鷹市の東端なので移動が困難です。
本当は吉村昭氏の施設は井の頭恩賜公園内に太宰治文学館とともに開設する計画でした。三鷹の森ジブリ美術館と玉川上水にかかる万助橋の間です。もしもここに完成していたら非常に移動が便利で、たくさんの人が吉村昭書斎も見学したのではないかと思います。
しかし、井の頭公園の木を切るなどが自然破壊にあたるとして反対運動が起こり、今回のような形になってしまいました。私自身としては、できれば当初の計画の通り、吉祥寺通り沿いにできていれば良かったと思っています。
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