安曇野ちひろ美術館に併設されているトットちゃん広場

黒柳徹子さんが書いた窓際のトットちゃんという本があります。この本の表紙を描いたのが、いわさきちひろさんです。

この本は「昔、こんな素晴らしい教育法を実行した小学校がありました。その小学校には、どんな子も必ずいい性格を持っているのだと信じる校長先生がいました。その小学校では子どもがのびのびと個性的に育っていったという本当の話を書いたものです。

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トモエ学園

この小学校のモデルになったのがトモエ学園です。手塚岸衛が作った自由が丘学園を引き継ぎ小林先生が1937年に作りました。場所は「東京都目黒区自由が丘2丁目15番地です。リトミックによる独自の音楽の授業や複数の教科を関連付けた教育プログラムが実践されました。小林宗作校長先生は子どもたちが実際に体験して自分の力で学んでいくことを大切にして子どもが本来持っているそれぞれの可能性を見い出して伸ばすことに力を入れました。しかし、1945年の空襲によって校舎を失ってしまい8年間の歴史を閉じました。

そんな窓ぎわのトットちゃんにちなんで作られた広場です。広場には二両の電車が設置されました。

一両は大正15年に作られたデハニ201という形式の車両です。この車両は1926年に汽車製造東京支店によって作られ車体は鋼製です。長野電鉄長野線などを運行し長年多くのお客様を乗せたデハニ201ですが、長野〜善光寺下間の地下化に伴い1980年に引退しました。小布施駅の「ながでん電車の広場」に展示されていましたが、2014年にトモエ学園の電車の教室を再現するために同社から松川村に寄贈されました。

窓ぎわのトットちゃんは、小学校1年生で学校を退学になった個性的な女の子がその後に通ったユニークな学校「トモエ学園」での日々を書いた黒柳徹子さんの自伝的物語です。

長野電鉄で使われていた車両です。

離れたところから見ると、公園の一角にこんな形で電車が展示されています。

この車両の中は一台が図書館、一台が学校(トモエの教室)になっています。

トモエの教室

トモエ学園では古い電車が教室として使われていました。車内は座席を外して机や椅子が並べられ網棚はランドセルや下足袋などを置くために使われました。トットちゃんはこの教室が一目で気に入り「絶対にお休みなんかしないでずーっとくる」と思ったといいます。

こちらが教室の様子です。

網棚の上にはランドセルが適当に置かれている様子などが再現されていました。試験管など化学の実験器具が置かれている机は泰ちゃんの席です。

電車の図書館

こちらが電車の図書館です。モハ604という車両が使われています。

トモエ学園では電車の車両を教室にしていましたが、その一両は図書室でした。そこは誰でもいつでも好きなときに入って本を読むことができ、校長先生ら「とにかく本をたくさん読んでください」といいました。ここは松川図書館の分室として電車の図書室を再現しています。本棚は長野県池田工業高等学校の生徒と先生が作りました。

トモエの講堂

この建物はトモエの講堂の一部を再現したものです。

正面中心の円柱や三角形に張り出したステージが特長です。

ラベンダー畑

ラベンダー畑も綺麗でした。大花壇は松川村ボランティアの手によって約一万株が初夏と秋に植え替えが行われます。

トットちゃん広場は12月から2月末日まで冬季休館となります。各施設について冬季は開館日や開館時間が変更になっている場合があるので、事前に公式サイト等を確認してください。

【2022/08/10追記】

東京のちひろ美術館

東京にある、ちひろ美術館については、こちらで紹介しています。

https://www.painfo.net/archives/2008/05/post_2626.html

【2025/08/02追記】

NHK朝の連続テレビ小説「チョッちゃん」

NHKで朝ドラ「チョッちゃん」の再放送をしています。黒柳徹子さんのお母さん、黒柳朝の自伝を原作として描かれた作品です。第96話を見ているのですが、まだ小学1年生の黒柳徹子さんは学校での行動が自由奔放すぎるため退学、そして新しい学校を探し始め、スギヤマ学園(トモエ学園)が見つかるというストーリーです。

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