ミレーの作品を多数収蔵する山梨県立美術館でたくさんの絵画を鑑賞

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富士吉田市で宿泊をしたあと、二日目の日曜日にどこに行けば良いか調べていたのですが、「るるぶFREE山梨 秋/冬23-24」というフリーパーパーで山梨県立美術館が「ミレーの美術館で貴重な作品や特別展を楽しもう」と紹介されているのを見つけました。

先日、徳島の大塚国際美術館でジャン=フランソワ・ミレーの作品を見たばかりですが、こちらは陶板名画で本物ではありません。とても迫力はありましたが、やっぱり本物の作品も見てみたいと思い、山梨県立美術館に行くことにしました。場所は山梨県甲府市貢川1-4-27、JR甲府駅からだとバスで約15分の場所にあります。

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山梨になぜミレーの作品?

ミレーのコレクションは油絵のほか、水彩画、素描、版画を含めて41点も収蔵しています。

なぜ、山梨県にこれだけのミレーの作品が集まっているのでしょう。それは1967年に山梨県知事になった田邊氏が美術館の設置事業に着手、山梨県農事試験場跡地に美術館の建設が始まったころに遡ります。この美術館に収蔵する作品はバルビゾン派の画家とする方針が定められて、置県100周年記念事業としてミレーの代表作となる「種まく人」の購入が県議会で承認されたことに始まります。

1977年にニューヨークのオークションで「種まく人」と「夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い」を合計1億8200万円で落札しました。さらに山梨放送社長の資金援助や山梨中央銀行から資金寄付を受けて下記の3作品を購入しています・。

  • ポーリーヌ・ヴィルジニ・オノの肖像
  • 冬、凍えたキューピッド
  • ダフニスとクロエ

今ではテレビ局の社長や銀行から多額の寄付を募るのはとても難しいと思いますが、この頃は高度成長時代、バブル期の前夜ということもあって、勢いがあったということなのでしょう。

山梨県立美術館に到着

日曜日の午前9時40分ごろに芸術の森公園内の第一駐車場に着きました。Yahoo!カーナビに案内してもらったのですが、美術館の裏側に連れて行かれそうになったので、現地の案内看板に従って駐車場に入りました。

まだ、朝早かったので、駐車場は空いていましたが、午後12時過ぎに帰る段階では満車になっていましたので、早めの時間で正解だったかもしれません。

そのまま、美術館へと向かいました。とても立派な建物だったので驚きました。

山梨県立美術館

まずは受付で常設展(コレクション展)のチケットを購入します。一般は520円です。前日に山梨県に宿泊した人は特別な割引があるということだったので適用してもらいました。

受付と同じ1階にコインロッカーを見つけたので、大きな荷物やジャンパーなどを預けて身軽になりました。100円玉が必要ですが、荷物を取り出すときに戻ってきますので、実質無料です。

コレクション展の会場は2階です。正面の大きな階段から上ってもよいですし、エレベーターもあります。

最初に見たのはミレーの作品が展示されている部屋(コレクション展Aミレー館)です。本当にミレーの「種をまく人」が展示されていたのには驚いてしまいました。

ジャン=フランソワ・ミレー「種をまく人」1850年 山梨県立美術館所蔵

こちらがボストン美術館に収蔵されている「種をまく人」です。

ジャン=フランソワ・ミレー「種をまく人」ボストン美術館蔵

ボストン美術館に収蔵されている「種をまく人」と比べると、構図は似ていましたが、ボストン美術館の方が輪郭がしっかりとしているように見えます。ただ、山梨の方が力強く迫力があるように感じました。

テレビ番組「美の巨人たち」によれば、それぞれの絵のX線写真をとり、どちらがサロンに出展したものなのかを検証しています。この番組によれば、後から書かれたのは山梨で、山梨がサロンに出店したものではないかと結論付けています。

まさか日本でミレーの有名な作品をゆっくりと鑑賞できるとは思ってもみませんでした。

屋外の展示

屋外にも多数の彫刻などの展示があります。この中で一番気に入ったのは、コロンビア人彫刻家フェルナンド・ポテロ氏のリトル・バードです。

リトル・バード

顔はとても可愛らしいのですが、足はドッシリとしています。このアンバランスさがとても好きになりました。実はこの彫刻、2019年のお正月明けにコインか何かで傷を付けられたのが見つかっています。器物破損容疑で被害届を県警に提出するということでしたが、犯人は捕まったのでしょうか。

ちなみにリトル・バードは広島市現代美術館にもあります。こちらは色が茶色です。

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