首都圏では道路渋滞を防ぐために地下鉄が発達したことにより、路面電車がほとんど無くなってしまいました。路面電車の雰囲気がある区間が残っているのは、今回紹介する江ノ電、都営荒川線、東急世田谷線程度ではないかと思います。
江ノ電は路面電車?
その中で江ノ電の併用軌道区間は江ノ島と腰越の間にあります。普通の鉄道は鉄道事業法で許可されているためこのような併用軌道は走行することができません。しかし、江ノ電は当初、軌道法という法律に基づいて作られた路面電車でした。
1902年に東海道本線の藤沢から片瀬(現在の江ノ島駅)まで最初に敷設されて、その後8年をかけて1910年に小町(現在の鎌倉駅)まで軌道が敷設されました。藤沢周辺では江ノ島にお客さんを運んでいた人力車の車夫から江ノ電の敷設を猛反対されて、株主や敷設に協力的な富裕層の庭先に線路を通して開通させたという記録もあるようです。
現在のように併用軌道はごく一部の区間だけになり、ほとんどが専用軌道になったのは、第二次世界大戦中に東海道線や横須賀線が被害を受けた際の迂回路として国策として鉄道への転換が行われたのだそうです。
ほとんどが専用軌道になったとはいえ、庭先に江ノ電の軌道が通り、線路に向かって玄関や門を構える民家も数多く登場します。したがって、私設の踏切(いわゆる勝手踏切)が数多くあります。
龍口寺交差点から腰越まで
こちらの龍口寺交差点から腰越にかけて歩いてみました。昔、江ノ島駅の近く、今の湘南モノレールの湘南江の島駅のすぐそばに、江の島龍口園という遊園地があったことが話題になっています。昭和のはじめに短い期間だけあった施設で、地上約53メートルのエレベーターや江の島を見ることが出来る展望台などがありました。
龍口寺交差点
お盆過ぎとはいえ道路が混雑していましたので、こちらの交差点はかなりカオスな状態になっていました。左右、前後から車が来る上、そこに江ノ電の電車まで通ります。電車が接近すると歩行者や車のドライバーに対して表示が出ますので、車は舗装で色がついている部分から退去しなければいけません。
線路の内側には脱線を防ぐためのガイドがあります。
江ノ電最中
この龍口寺の交差点には江ノ電最中で有名な扇屋があります。江ノ電の電車が顔をのぞかせています。
こちらがショーケースです。
龍口寺交差点から腰越駅の方を見るとこんな形になっています。
江ノ電の電車が来て腰越の駅に入っていきます。
かねじち魚店
道の両側には地元の人が買い物をするような魚屋がスーパーがあります。
この道路沿いには「電車通」という定食屋があります魚屋さん直営なので、美味しい魚が食べられると、テレビで紹介されているのを見たことがあります。この日は午後3時くらいになってしまいましたのでお店はすでに閉まっていましたが機会があればぜひ行ってみたいお店です。
映画かまくら物語
高畑充希さんが主演している映画、かまくら物語を見ました。この映画は不思議な街、かまくらが舞台になっていて、江ノ電が重要な役割を果たしています。
そんな映画の中に「タンコロ」という電車が出てきます。江ノ電では昭和31年に走り始めた200形以降は2両一組で運転をしているのですが、昭和55年まで1両だけで走行できる100形グループの107号車と108号車が1両で運転されていました。これがタンコロという愛称で親しまれていたそうです。
108号車は江ノ電の車庫に大切に保管されて開通85周年を迎えた昭和62年に全面的な改装が行われました。現在も自走可能な状態で極楽寺の検車区で保存され毎年のタンコロ祭りで公開されています。
【2022/12/03追記】
タンコロ祭り
2022年12月3日から4日の土日にわたって、極楽寺駅の近くにある検車庫でタンコロ祭りが開催されています。
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