数年前、テレビで山梨県の地方病(日本住血吸虫症)とその撲滅に関する番組を放送していました。ずっと、地方病の原因が分からず、その周辺地域の人にはずっと恐れられていたのですが、大正時代の医師である杉浦建造とその娘婿の三郎はその治療と官民一体となった撲滅に向けた対策が進めました。
その業績を伝えるために山梨県の昭和町が2010年に医院を復元して開館させた施設が風土伝承館杉浦醫院です。
土曜日と祝日はお休みなので、日曜日に訪問してみました。
場所は中央道の甲府昭和インターチェンジから比較的近いところですが、少し路地に入ったところなので分かりにくいです。事前にナビに住所を登録することをおすすめします。
また、駐車場は病院の表玄関と逆側にあります。この駐車場も案内看板はあるのですが路地の入り組んだところにあるので、事前に公式サイトで確認しておいた方が良いと思います。
駐車場から表玄関へとまわります、
庭には「地方病流行終息の碑」が建っていました。
本当に広い庭です。
玄関から建物に入ってみると、そこはまさしく病院の玄関そのものです。三郎先生がなく息を引き取った昭和52年まで病院として使われていました。
ただ、受付は閉まっているので、どうやって手続きをするのだろう?と思っていると、奥から係の人が出てきてくれました。
山梨県のコロナ対策である記名表に名前や住所、電話番号を書いて、大人一人200円の入館料金を払いました。
「どうやってこの場所はお知りになりましたか?」など、質問を受けました。以前、テレビ番組で紹介されていたので来たことを答えました。約1時間でガイドもしていただけるようですが、今回は自由見学にさせてもらいました。
休診の案内札です。
とてもレトロな雰囲気の薬棚です。
こちらでは薬の調合をしていたのでしょうか。
1933年現上皇陛下誕生をお祝いして作られたグランドピアノ限定100台のうちの一台です。
ほとんどのものは空襲で焼けてしまったので、とても貴重なものなのだそうです。
杉浦病院の廊下です。趣があります。
こちらは使われていた机でしょうか。実際に使用されていた顕微鏡が残されています。
こちらは2階に登る階段です。狭くて急な階段なので注意です。
二階は大広間がありました。テーブルには各種の資料が並べられていて、閲覧できるようになっています。
また、大画面テレビにはDVDレコーダーがつながっていて、映像資料を見られるようになっていました。
病気の原因は日本住血吸虫が体内に入ることによって引き起こされることがわかり、その中間宿主であるミヤイリガイを駆除すれば人間に病気が感染するのを防ぐことができるとわかりました。
貝を駆除するために大量の石灰をまいたりしましたが、十分な効果がなかったため、官民一体で用水路を整備して真っ直ぐ通すことで水の流れを速くして、ミヤイリガイが住めない環境に変えることで、撲滅に至りました。
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