釧路駅から阿寒バスの観光バス「ピリカ号」に乗って各観光地を巡りつつ、阿寒湖までやってきました。事前に阿寒湖に関する観光やグルメの情報を調べてあったほか、観光バスの車内でガイドさんからも詳細に説明があったので、準備は万端です。2時間の自由時間がありますので、昼食をとりつつ阿寒湖の観光をします。
阿寒湖温泉街
阿寒バスの観光バスはバスターミナルではなく、湖に近い温泉街の中心付近に停車します。だいたい、温泉街は端から端まで歩くと10分くらいの距離です。バスから降りて最初にどちら側に歩くかが最初の分岐点になりますが、まずはアイヌの郷土料理を食べるためにアイヌコタンの方角に向かいました。コンビニは途中にセイコーマートとローソンがあります。ローソンにはイートインもありました。
こちらが阿寒湖の温泉街です。お土産屋さんがズラッと並んでいます。各お土産屋さんには木彫りの熊などが販売されていますが、特に木彫りはその店のオリジナルのものが多く、もしも心がときめいたらそのときに買わないとあとで後悔するとガイドさんが紹介していました。
バスでこちらのパンフレットをもらいました。
阿寒湖アイヌコタン
地図の左側にアイヌコタンがあります。こちらがアイヌコタンの入り口になります。阿寒湖アイヌコタンには36戸約120人のアイヌの方々が暮らしています。
阿寒湖アイヌコタンができたのは、昭和34年のことです。
民芸喫茶ポロンノ
最初に事前に調べておいたお店のポロンノに行きました。創業当初は民芸品店の奥で軽食を出す喫茶のカウンターがあるスタイルでしたので、「民芸喫茶」という名前になっています。現在のご主人夫婦が店を切り盛りするようになって、試しに試しにオハゥという、鹿肉やサケを野菜と煮込んだ汁ものを定食で出したところ、すぐに評判になりました。程なくして、民芸品の販売コーナーもなくして食事処となりました。
この店、バスのガイドさんは紹介していませんでしたが、アイヌの郷土料理が食べられる人気のあるお店の一つです。ガイドさんが紹介するとお客さんが殺到してしまうので、あえて紹介から外しているのかもしれません。
私たちが着いたときには残念ながら店内は満席でほかに2組のお客さんが待っています。30分程度かかるということでしたが、待つことにしました。携帯電話の番号を知らせると順番が回ってきたところで連絡を貰えます。
店先にはメニューがあります。
アイヌコタンのお土産屋さんなどを見て回っていると、15分ほどで連絡をいただくことができました。
席についた後、まずはメニューをめくってみました。伝統に根差したアイヌ料理から現代風にアレンジを加えた料理まで提供されています。
メニューの表紙に書いてある「イッソロレ!」はアイヌ語で、「こんにちわ」という意味です。
食事のメニューとして、ユック丼、アマムカレー、めぐスパと並んでいます。
こちらは一品料理のメニューです。ポッチェイモ、コンブシト、ラタスケブ、ポッチェピザなどがあります。
1番上のポッチョイモというのは、雪の下で保存し、雪解けとともに発酵させたジャガイモから得るでんぷん粉を練って焼く料理です。今回は注文しなかったのですが、後から調べてみると、生地が詰まっていて、焼き目が香ばしく、噛むほどに甘いのだそうです。
こちらのメニューは本格アイヌ料理の定食です。鹿のセットと鮭のセットがあります。
壁にはアイヌを感じさせるものが飾られています。
天井はこんな格子状の棚になっています。
テーブルには調味料が置いてあります。七味や砂糖などがあります。
最初に定食の鹿セットが運ばれてきました。
こちらがアマムです。豆・いなきび・キトピロ(行者ニンニク)を一緒に炊きこんだご飯です。癖はなく優しい味でした。
こちらは鹿のオハウです。オハウは昆布と塩だけのシンプルな出汁に、季節の山菜やきのこなどをいれたアイヌ料理を代表する汁物です。こちらも優しい味です。鹿独特の癖も感じませんでした。
塩もそんなに入っているわけではなく、昆布の出汁が活かされています。また、鹿のうまみと根菜、山菜がたっぷりの具沢山のスープです。
こちらの小皿に入っているのは「メフン」と呼ばれる鮭の血合いの塩辛です。ご飯(アマム)と一緒に食べるとご飯がはかどります。お店の人はメフンはお酒を一緒に飲むと美味しいですよと薦めてくれました。
こちらは鮭のオハウです。
エコミュージアムセンターへ
お昼ご飯を食べた後は、温泉街の反対側にあるエコミュージアムセンターに行きました。こちらは観覧無料の施設で、まりもを見学できるとガイドさんが紹介していました。
途中に観光案内所があります。観光案内パンフレットなどが置いてありますので、情報収集にぴったりです。
歩いていると、大きな足湯の施設がありました。あまり時間がなかったので入ることができませんでしたが、今度来たときには足湯を楽しみたいです。
しばらく歩いていくとエコミュージアムが見えてきました。阿寒湖畔エコミュージアムセンターは平成14年4月にオープンした環境省の施設です。
館内には阿寒湖周辺の自然や動物などについて解説があります。
こちらがお目当てのマリモです。
バスガイドさんの説明で初めて知ったのですが、マリモは実は富士五湖(フジマリモ)を含め東北地方から近畿地方の湖沼に点在して分布しているそうです。しかし、阿寒湖以外のマリモは糸状体の細い繊維になっていて、阿寒湖のみがその自然の水流などの条件が整って球状になっているのだそうです。
大きなヒグマの展示もあります。
大助というヒグマで昭和35年春に北見相生の山林で漁師が捕獲した小熊を観光案内所前の公園で昭和42年秋まで飼育していたものだそうです。こんなに大きなヒグマに襲われたらひとたまりもありません。
よく「ヒグマが出た」という報道と「ヒグマらしき」ものが出たという報道があるようなのですが、ガイドさんによると、ヒグマと断定するのはその写真や動画が撮影されてヒグマと特定できた場合、または目撃情報をもとに付近を捜索してヒグマを見つけた場合は断定して報道するそうです。逆に「ヒグマらしき」というのは目撃者が「ヒグマだ」と言っているけれども断定できない状況の場合に使うそうです。道路に「ヒグマに注意」という小さな案内がかけられているときは。その周辺でヒグマが目撃されたことを示しているということも教えてくれました。
動画で自然などを紹介してくれるコーナーもあります。
阿寒湖周辺は見るべきもの、食べるべきものが多々あり、とても2時間の自由時間では回り切れませんでした。日帰り温泉に入りたい、遊覧船に乗りたいといった場合には、確実に半日以上の時間が必要だと思います。
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