川崎の東芝科学館で科学の不思議やレトロ家電を見学

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川崎の東芝科学館

川崎市にある東芝科学館というところに行って来ました。国道一号線から少し道に入ったところに入口があります。この入口は工場や研究所の入口と一緒になっていますので、入口から入ったところで、係の人から「科学館ですか?」と声をかけられました。「そうです」と答えると大人の分だけ胸に付けるバッジをわたしてくれました。

クルマを駐車するスペースはいろいろなところにありますが科学館来場者用のスペースは場所が決まっています。入口から入ってずっと右手側に入って行ったところに科学館がありますので、その向かい側が駐車スベースです。

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小向事業所内の東芝科学館

東芝科学館は朝の9時から開館しています。今回は、現地に9時半頃に着きました。まだ時間が早かったので駐車場にはクルマがとまっていませんでした。館内に行ってみると、やはり、まだ時間が早いので、こちらもガラガラです。10時を過ぎたあたりから、家族連れや学生の修学旅行などの団体が増えて来ました。いろいろな体験スペースがありますが朝一番に回ってしまうと効率的に体験できると思います。

球体映像照射装置

一階のロビーには大きな球体の映像照射装置があり、通常は地球の映像が映写されています。

東芝科学館のロビーにある地球儀

そして、ボタンを押すといくつかの映像番組をを見ることが出来ます。そこから左手方向に行くと、原子力などエネルギーの展示エリアになります。こちらの中では特に静電気の体験装置に人気が集まっていました。こちらの部屋は鍵がかかっていますので、係の人に声をかけて体験する形になります。静電気の発生装置に片手で触れながら二人で手をつないで並びます。そして静電気発生装置を動作させると、思いっきり髪の毛が逆立って、周りで見ている人から笑い声が聞こえて来るという感じになっています。ほかにリニアモーターカーの模型や水中を動き回るロボットの模型などがありました。

デジタル映像コーナー

2階に行ってみると、デジタル映像コーナー、ロボットコーナー、デジタルワールド、ミニシアター、デジタル家電の部屋などがあります。

フラッシュモーション

こちらは、緑の背景の前で動作をすると、それをとらえたカメラの映像がアニメーションの世界で合成されてモニターに映し出される仕組みになっています。

動作捕獲術SHADOW

動作捕獲術shadowのモニター

ミニシアターでは海の魚をテーマにした3D映像の紹介をしていました。ちょっとプロジェクターの施設は古そうだったのであまり期待はしないで見始めたのですが、意外と立体効果がうまく出ていて、面白かったです。

昔の家電

3階は創業者の部屋、東芝一号機ものがたり、あかりの部屋、半導体コーナー、医用コーナーがあります。特に東芝一号機ものがたりは面白いです。昔の家電製品、たとえば電気洗濯機、白黒テレビ、カラーテレビ、蓄音機などいろいろなものが展示されています。

電気洗濯機

レコードプレーヤー

白黒テレビ

日本語ワードプロセッサ

この中でも、日本語ワードプロセッサは見応えがありました。JW-10というワープロなのですが、何と大きさが事務机一つ分です。こんなに大きなものがワープロの一号機だったとは驚きました。

日本語ワードプロセッサJW-10

このワープロの横には何かテレビが放送されています。なんのテレビ番組かと思ったら、NHKのプロジェクトXでした。東芝の日本語ワードプロセッサ1号機を作ったときの苦労を綴った物語です。研究所の森健一さんが毎日新聞社の記者に懇願されてワープロの開発に着手した話し、ワープロの試作器を記者に見せたときにだめ出しをされて研究所の所長にワープロ開発を本格的に実施したいことを直接申し出た件、メンバーを2人集めて何とかプロジェクトを発足した話し、辞書の開発、変換ソフトウエアの開発、変換スピードの改善など、いろいろな苦労話が出てきます。

また、東芝青梅工場の工場長がワープロ開発の話しを聞きつけて、事業部長に内緒でハードウエア面の開発を引き受けた話し、事業部長が後から聞きつけて激怒し1ヶ月という短期間で実際にテストをして見せてみろと指示した話し、そして無事にテストでその有用性を証明して事業部長の了解を取り付けた話しと続いていきます。結局、立ちながら、プロジェクトXを最後まで見てしまいました。子どもは二階で工作教室をやっていたので時間つぶしをする目的もありましたが、なかなか面白い番組でした。せっかくなので、もう少し落ち着いて見られるように椅子などを準備したコーナーを設けると良いのではないかと思いました。

私自身、ワープロにはじめて触れたのは一太郎Ver3でした。PC-9801で動作していました。この頃からATOKは意外と頭が良かったのですが、このような日本語FEPの開発の中で変換の改善が著しく行われていったと思っていたのですが、実は初期のJW-10で、変換結果を学習する機能などが実装されていたということにとても驚きました。初期のワープロは単漢字変換程度しか出来ないものだと思っていました。

この東芝科学館、いろいろと見応えがあって、とても面白かったです。

歴史・沿革 | 会社概要 | 東芝
株式会社東芝の沿革を掲載しています。

東芝未来科学館が閉館へ

東芝は2024年6月29日をもって東芝未来科学館の一般向け公開を終了することを発表しました。東芝の事業ポートフォリオがBtoCからBtoBに移行しているための見直しです。

東芝未来科学館は1961年11月に神奈川県川崎市幸区の小向事業所内に開設、2014年1月に川崎本社へ移転、現在の名称になっています。

今後は下記のように機能は引き継がれます。

  • 先端科学技術・事業の情報発信機能:東芝の研究開発新棟「イノベーション・パレット」で継続
  • 産業遺産の保存・歴史の伝承:事業関係者やパートナー向けの対応を前提として、東芝未来科学館内にて機能を継続
  • 科学技術教育・啓発活動の推進機能:CSR活動の一環として東芝未来科学館にて「川崎さいわい少年少女発明クラブ」で継続

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