栃木県那須湯本の殺生石を見学(殺生石が2つに割れる前の様子)

那須湯本の殺生石

 箱根湯本温泉の鹿の湯に行くとき、殺生石のそばにある駐車場へクルマを停めて殺生石を見ようと思ったのですが、駐車場の中にハザートをつけたクルマが何台も停まっていました。

 どうも、駐車場がいっぱいのようで順番待ちをしているようです。これ以上、クルマを待避させるスペースも無いので、殺生石はいったん諦めて、そのまま鹿の湯へと向かいました。


 鹿の湯で温泉を楽しんだあと、また同じところを通ったのですが、もう時間が16時過ぎになっていたこともあって、駐車場には空きスペースもありました。もう、日暮れが近くなっていましたが、せっかくなので殺生石を見ていくことにしました。

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殺生石の見学

 クルマを停めた後、殺生石園地の地図を見てみました。

殺生石園地の地図

 そして、湯川にかかる「いでゆはし」をわたり、殺生石へと向かいます。

湯川にかかる「いでゆはし」

 殺伐とした光景の中、園路は続きます。一番奥に見えるのが殺生石です。

殺生石に続く道

 旧暦の元禄2年(1689年)4月19日午前に松尾芭蕉らは宿泊先の主人の案内で殺生石を見物しています。芭蕉は「石の香や 夏草赤く 露あつし」という句を詠みました。また、那須温泉神社参詣後に那須与一ゆかりの宝物を観覧しています。この日詠んだ芭蕉の句は殺生石の近くに建てられた句碑に刻まれています。

殺生石と松尾芭蕉

 まだ、殺生石へ240メートルです。

殺生石まで240メートル

 こんな怖い光景が続きます。

殺生石園地

そして、こちらが殺生石になります。

殺生石

殺生石

平安末期に玉藻前(たまものまえ)という美女に化けた九つの尾を持つ狐が鳥羽上皇を殺害しようとしたが陰陽師(おんみょうじ)に見破られて逃走した東国で退治されて石になったという伝説が残っています。

  平安の昔、帝(みかど)の愛する妃に「玉藻の前」という美人がいたが、これは天竺(インド)、唐(中国)から飛来してきた九尾の狐の化身でした。帝は日に日に衰弱し床に伏せるようになり、やがて、陰陽師の阿倍泰成がこれを見破り、上総介広常と三浦介義純が狐を追いつめ退治したところ、狐は巨大な石に化身し毒気をふりまき、ここを通る人や家畜、鳥や獣に被害を及ぼしました。やがて、源翁和尚が一喝すると石は三つに割れて飛び散り、一つがここに残ったと言われています。その石が「殺生石」と伝えられています。

那須町公式サイトより引用(国指定名勝「殺生石(せっしょうせき)」と那須伝説「九尾の狐」 | 那須町行政ページ

 この周囲からは硫化水素や亜硫酸ガス、砒素などの有毒ガスが噴出しているので、これらのガスの濃度が高いときには立ち入りが出来ないこともあるそうです。

【2022/03/06追記】

殺生石が真っ二つに割れる

 那須の殺生石が真っ二つに割れているところが発見されました。数年前からヒビが入っていたため自然に割れたのではないかと報道されています。

 殺生石が割れたことが話題となって、週末には近くの駐車場が満車になることがあるほど見物客が増えているそうです。殺生石から近い「カフェまど花」では3月の売り上げが昨年同期の五割増となっていると報道されていました。

【2022/03/19追記】

黒塚の岩屋 巨岩割れる

 3月16日夜に発生した地震により福島県二本松市安達ヶ原の観世寺の境内で国指定名勝「黒塚の岩屋」の巨岩が割れました。殺生石が割れた件とともにちょっと気になる報道でした。

【2022/12/14追記】

殺生石の近くでイノシシ8頭の死がい発見

 12月7日に殺生石付近でイノシシの死がいが9頭見つかりました。硫化水素は毒性が高く地面付近に漂うので、姿勢が低い動物は硫化水素を吸い込みやすいのではないかと言われています。

 ガスの有毒性については人間の場合は極端に近くに立ち寄らなければ大丈夫と報道されていますが、柵の内側に入ることは絶対にやめてほしいということでした。

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