日本を災害の被害から守った富士山レーダードーム館を見学

富士山レーダードーム館

富士吉田歴史民俗博物館で入場券を購入したときに、このチケットを使うと富士山レーダードーム館に差額分の料金で入ることができるということでしたので、寄ってみることにしました。

富士山レーダードーム館の全景

富士山レーダードーム館の付近の案内図

富士山レーダーは日本に襲いかかる大型台風を観測するために、標高3776メートルの富士山山頂に設置されていたものです。

富士山レーダードーム館の入口

玄関から中に入ってみると、売店のようになっているところの奥にチケットを売っているカウンターがありました。

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富士山レーダードームの建設

昭和38年の6月から気象レーダーの建設に着手し、難工事の末、昭和39年の9月に完成しました。そして、昭和40年3月から本格的な運用が開始されています。レーダーそのものは三菱電機伊丹工場で研究開発されました。レーダードームも観測に影響を与えないように、鉄骨を細くして風速100メートルにも耐える強度を確保しました。

しかし、ヘリコプター会社から運ぶ荷物は450Kgまでだと言われてしまいます。ヘリコプター会社からは分解してくれと言われましたが、山頂で精度高く組み上げ直すこともできません。そんなとき、ひとりのパイロット(元海軍航空隊の神田さん)が名乗りを上げます。ヘリコプターは極力軽くするために、内装や椅子、余分な燃料タンクなどを全て取り外します。

山頂へ部材を運んだ際に事件が起こります。部材を山頂に下ろし人が部材に乗ってヘリコプターから切り離そうとした時にヘリコプターが上昇してしまいます。部材と人ごと空に上がってしまいましたが、パイロットは気がつき、再度部材を指定の場所に置くことで事故にはつながりませんでした。

全部で500トンもの資材を運びました。最初は8合目まで馬で運んでそこから上は人で運ぶ計画でしたが、馬が8合目まで運ぶことが難しく、ブルドーザーで運ぶ計画に変えました。

ブルドーザーメーカーに登山テストを掛け合い、実際に運んでみます。5合目あたりからは酸素不足により黒煙が上がり厳しい状況だったようです。7合目からはジグザグに登るブルドーザー道を作ったりもしました。昭和38年9月28日になんとかブルドーザーによる山頂までの登頂に成功しました。

年間60日間しか工事ができなかったそうです。数十cm掘れば永久凍土が出てきて、工事が進みません。バーナーで炙っても表面が濡れる程度でした。

本格的な運用が開始されてから35年間もの間、観測を続けましたが、平成11年11月に運用を終了し、気象衛星や新しい気象レーダーにその座を譲りました。このあと、気象レーダーは現在の地に移送されて、展示されています。

展示室

フロアーは三つの階に分かれています。

  • 一階 防災
  • 二階 気象と富士山
  • 三階 気象レーダー

展示室の一階には、シアターがありました。NHKの特集番組が定期的に映写されています。パンフレットを読んで見ると、プロジェクトXの第一回目の放送だったようです。晩年のプロジェクトXとはかなり雰囲気が異なる番組構成でした。「世界最大のレーダー建設 富士山頂9,000人のドラマ」というタイトルです。

特に最後には大きなドームの枠組みをヘリコプターで空輸するシーンがあるのですが、いかに大変な工事だったかをしのばせる映像でした。

この当時に気象庁の担当職員だった人が、引退後に新田次郎として作家活動をしたという話しをあわせて紹介していました。この工事では三菱電機が全面的に協力をしました。

最初は八合目までが馬、その先は人で資材を運ぶという計画でしたが、馬の作業がどうしても遅れがちになってしまったため、ブルトーザーが通ることができる道を作って頂上まで運搬を実施したそうです。

2階の展示

2階に行ってみると、いくつかの展示のほかに、富士山の山頂を体験できるコーナーがありました。仕切られた部屋の中がクーラーでガンガンに冷やされていて、扇風機のようなファンがたくさん並んでいます。気温はマイナス5度に調節されていて、あとは風の強さによって体感温度はどんどん下がっていくという仕組みです。部屋の中に入る前に係の人から防寒具を着るか否か聞かれたのですが、普段着のままで入ってみることにしました。

富士山山頂体験ブリザードコース

部屋の中には30秒ほどいる形になります。順次、係の人が風速を高めていきます。たしかに部屋の中の温度は同じでも、風の強さに応じて感じる寒さが大きく変わります。なかなか面白い施設だと思います。

また、新田次郎の本を紹介しているコーナーもありました。映画化された八甲田山も展示されていました。

新田次郎コーナー

レーダードーム

さらに上の階に行くと、レーダードームを下から見上げることが出来るようになっていました。ドームの中は、レーダーがグルグルと回っているということを今回訪問してみるまで知りませんでした。あのドームはレーダーのアンテナを雪や風から守るためのものだったようです。まわりには実際に観測に用いられていた機器類も設置されていました。

富士山レーダーの機器類

ドームは直径が5メートルです。その中にレーダーが1分間に2回転するスピードでまわっていました。まわりから見るとドームは白く見えますが、中から見ると、意外と汚れていました。

富士山レーダードーム

レーダードームに的を絞った展示というのも、施設のことを具体的に深く知ることが出来て、面白いと思います。

富士山レーダードーム館
「富士山レーダードーム館」の情報は「富士吉田観光ガイド」で。富士山レーダードーム館は、富士山レーダーの歴史や気象観測について楽しく学べる施設として2004年に開館。1964年に富士山頂へと設置され、1999年まで日本中の気象を観測してきた富士山レーダードームの実物を展示しています。 2022年に展示内容をフルリニュー...

【2022/05/21追記】

再訪問

10年ぶりに富士山レータードーム館に入りました。土曜日の朝9時過ぎに入館したのでとても空いています。

富士山レーダードーム館

売店にはアニメ「ゆるキャン△」のグッズがいっぱいです。

ゆるキャン△ りんちゃんのビーノ

売店の売り場面積の8割ほどはゆるキャン△グッズで、富士山グッズはごくわずかです。

富士山グッズ

映像ホールでNHK制作の久保純子アナウンサーが解説をしている約50分間の番組もゆっくりと観ました。

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